桐
桐はキリ科キリ属の落葉広葉樹
以前は、ゴマノハグサ科、
あるいはノウゼンカズラ科に分類
桐はとても成長が早く、昔は、娘が生まれるとキリを植え、結婚する際にはそれを伐採して作った箪笥に着物を詰めて嫁入り道具に持たせていた。
英語ではPaulownia
日本では会津桐、南部桐が有名
アメリカや中国、オーストラリアにも桐が存在し、日本へ輸入されている
とても成長が早く10~30cmの大きな葉を付け、5~6月には淡い紫色の花を葡萄の様に円錐状につける
種子はとても発芽率が高い
日本では、軽くて狂いや割れも少ない木材の特性を活かして、高級家具の桐箪笥や、琴、琵琶が作られている
また、発火しづらい桐は金庫の内材としても使われている
桐は日本国内でとれる木材としては最も軽い(比重0.27-0.30)
丸太選びから製材まで
桐材は丸太選びから始まります
天然の桐材を伐採から約1年
丸太のままゆっくり乾燥させた物を使用します
1年から2年雨ざらしによる天日と雨にあてることで乾燥と濡れを繰り返し
毛細管現象で中までしっかり乾かし
歪みや割れをこの段階で起こすことで
製品になった時に反りや割れがないようにしています。
しっかり干された桐の表面はシルバーに近い色になります
さらに傷などない板であっても
芯割りを入れてまた貼るという一手間を入れています。
板にする
長く使ってほしいから
しっかり乾燥させ、変形を出しきった桐材を芯割(しんわり)して
さらに割った物を長さに合わせて貼り合わせて板を作ります。
自然化で半年から一年かけ、太陽の照下雨の降る中、乾燥と濡れを繰り返しながら木のねじれと割れができるまで出し、最終しっかりと乾いた材を使い作り上げていきます。
手間と時間はかかりますが、使っている間に≪割れた≫≪曲がった≫を減らすためには欠かせない工程です。
乾燥が不十分な材で作った場合、カビが発生したり、乾燥していくうちに縮みや歪みが出て割れや変形の原因となります。
当社ではこの桐材を使って桐のたんすや米びつ等の製品を作っています。
桐の木の特徴
その1調湿機能
桐には孔がたくさんあり、湿度が高い日は湿気を吸い、乾燥時には出すといった呼吸のような機能があります。
その調湿機能を活かし、昔から絹製品、着物を収納するための桐たんすなどに使われてきました。
その機能を活かし米びつやコーヒー豆入れ、薬入れなども作っています。
その2軽さ
日本の木の中でも一番軽い部類に入ります。
水1に対して0.25~0.3(比重)くらいの軽さ
幹の内部には多くの空洞が存在することにより比重が軽くなり、過重がかかる物に対しては強度が弱く向いていないので、柱やテーブルや椅子の脚なのにはほとんど使われていません。
その3やわらかさ
桐の木よりやわらかい木はすぐに思いつくのはファルカタくらいでしょうか
ファルカタよりは硬く木目がしっかり出ます
注意する点はぶつけたりするとすぐに凹んだり傷がついたりするところです。
凹みは着色や焼桐などの加工をしていない場合、水またはお湯をつけて少し放置していると水分を吸って凹みが膨らんできてうまくいけば元通りになるくらい膨張します。
水気が乾いたあとにサンドペーパーなどで擦ればきれいになります
その4脱臭機能
特徴その1にもありますが、多孔質で炭にすると臭いを吸着します。
実際、大阪産業技術研究所にて当社の桐の調湿や脱臭の検査を行っていただき
その効果ありとのエビデンスをいただいております(エビデンス資料あり)
その5防虫効果
昔から着物の収納に使われていた桐たんすの防虫効果は周知の事実です。
桐には、繊維を食べる虫が嫌がるタンニンやパウロニンなどが含まれており
それらの効果と、職人が作る技術で気密性の高い製品を作ることにより虫の侵入を防ぎます。
いくら桐で出来ていても、特に中国桐などの漂白剤に漬けこまれた桐は効果はあまりなく
中国製の桐たんすは作り方も隙間が多い為、桐たんす本来の防虫効果などは期待できません。
桐の木の種類
桐の種類は、よく聞く産地で日本の会津桐、アメリカ桐、中国桐
他にもアフリカ桐、オーストラリア桐、フランス桐などがあります。
桐は日本だけの物として認識されている方も多いと思いますが、国産の桐より品質の良い桐があります。
大正元年に創業した当社は世界中のあらゆる桐の木を試してみました。
その中で一番品質がよく、木目もきれいで鉋のかけ心地が気持ちよく肌目も美しい桐はアメリカ桐でした
今から40年くらい前にアメリカ桐と出会いそれからはコロナなど輸入の関係で入手しづらいなど無ければほとんどアメリカ桐を使ってきました。
その次に品質が良い桐は日本桐です。
© 2024 Tomekawa Co., Ltd.All Rights Reserved.